2013年6月16日 聖霊降臨後第4主日 「好きになれない人と気持ちの良い関係を築くには」

ルカによる福音書7章1〜10節
白井 幸子先生 (講壇奉仕、ルーテル学院大学臨床心理学科教授)

1.好きになれないと思う時には理由があります。
(1)S.フロイト「その人を見ると子どもの頃、好きになれなかった人(両親、祖父母、親戚の人など)の嫌な部分を無意識のうちに思い起こすからだ。もっと深く読みますと、その人を見ると自分自身の嫌な面を思い起こすから」だと。
(2)やり取りが交差しているか、隠されたやりとりをしているから
1)相補的なやり取りーー期待した自我状態から期待した反応が得られる
2)交差したやり取りーー期待した自我状態から期待した反応を返さず、
交差してしまう。その時点でコミュニケーションは中断するか、話題が変わる。
(3)隠されたやり取りー言葉に表現された社会的メッセージの裏に、言葉に表現さ
れない、心理的メッセージが非言語的に飛び交い、隠された心理的メッセージ
が相手行動に駆り立てる。
(4)絞首台の交流
(5)メーラビアンという言語学者によるとコミュニケーションにおいて相手に理解してもらえる程度は:
言語―7%、準言語―38%、身体言語―55%

2.人格適応論
「6つの親の養育スタイル」があり、「6つの人格適応タイプ」がある。
(1)創造的夢想家(スキゾイド型)――親があてにならなかった
(2)魅力ある操作者(反社会型)――親が子どもと権力闘争
(3)一貫性欠如(パラノイド)――同じことをしても親の気分次第で受容的であった
り、拒否的であったりする。
(4)おどけた反抗者(受動攻撃型)――支配的で子どもへのコントロールが強すぎた。
(5)目的達成重視型(強迫観念型)――目的を達成しようと絶えず、努力する。
病気になるまで辞めない。
(6)熱狂的過剰反応者(演技型)――可愛いこと、人を喜ばすことを強調する。

3.気の合う適応タイプと気の合わない適応タイプがある。
強迫(男性)――受動攻撃型(女性)
パラノイド(男性)――演技型(女性)
反社会性(男性)――パラノイド(女性)

4.代表システムの違い

5.理解すれば受け入れられるようになります。人は自分を受け入れる程度に応じて人をも受け入れるし、自分を好きになる程度に応じて人を好きになります。理解すれば受け入れられるし、また、ゆるすこともできます。

6.気持ちのよい人間関係とは
自分の欲するストロークをいつも人から得られ、人にもその人の欲しているストロークを与え、互いに肯定的ストロークを交換し合うこと。

7.キリスト教を信じるものは、人からストロークを得られなくとも、神から、絶対的なストロークを得ている。今、これからの時も