マルコはパウロとバルナバと共にパウロの伝道旅行に従事した使徒で、新約聖書マルコによる福音書の著者であると言われています。使徒言行録ではマルコと呼ばれるヨハネという名で登場し、彼はバルナバの従兄弟にあたる人物です(使徒12:25)。
マルコはパウロとバルナバ共にキプロスの宣教に出かけますが(パウロの第1回伝道旅行)、途中で彼らと別れて1人エルサレムに帰ってしまいます(使徒13:13)。そして、パウロとバルナバが再びエルサレムから宣教の旅に出かける時(パウロの第2回伝道旅行)、バルナバはマルコを連れて行こうとしますが、パウロは、過去に一人でエルサレムに帰ってしまった彼を同行させることに反対します。そして、マルコはバルナバと共に再びキプロスでの宣教の旅に出かけます(使徒15:35~39)。パウロはマルコとの宣教の旅を拒みましたが、後にマルコはパウロがローマで牢獄に入っていた時に、パウロと共にいて彼を助けています(コロサイ4:10)。そこで彼は自分の福音書(マルコによる福音書)を書いたと言われています。
後に彼はアレクサンドリアに行ってそこで宣教し、教会を建設して司教となり、ローマ帝国の迫害によって殉教したと言われています。また9世紀頃に、彼の聖遺物がアレクサンドリアからヴェネチアに移され、ヴェネチアのサン、マルコ教会の中に治められたことから、マルコの名はヴェネチアの町とも関連があります。